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【記事掲載】西宮流(スタイル)より《カバン修理のパイオニア「山澤工房」》2016年11月26日

情報サイト「西宮スタイル」でご紹介いただいた内容を少しリライト(書き直し)させていただき、再アップしたいと思います。

引用元:西宮流 (にしのみやスタイル)

一つのものを大事に使う文化を大切にしたい。


便利に使っていたキャリーバッグのキャスターのコマが壊れ、ネットで「カバン修理」「西宮」のキーワードで検索して知った山口町名来にある山澤工房。
調べてみれば、いろんなメディアからも注目され、〜かばんの総合病院〜というキャッチフレーズを 掲げている工房を訪ねた。
2016年度の西宮市優良事業所顕彰の受賞企業でもある、山澤工房。
受付には「情報ネット.Ten」「ムーブ!」「す・またん!」など、各局の名だたる情報番組の色紙があった。「ガイアの夜明け」や「ルソンの壺」にも取り上げられているという。カバン修理専門の会社としては、パイオニアとしてこの業界を作り上げてこられた証ということだろう。

「子供の頃は寝床の横にスーツケースが積みあがっていました。」と二代目になる山澤高明社長が笑う。
新聞記者だったお父様が、旅行用品のレンタル業を始められたのが今から37年前。あの当時は旅行用品のレンタル業というのは今より少なかった気がする。
「レンタル業を始めてみると、修理が付いて回ったようです。その都度、メーカーに修理に出すのですが時間がかかったり、満足いく修理でなかったりということも多かったと聞いています。」
きっと、手先の器用な方だったのだろう。そんな環境の中で自分でできる範囲の修理を自らが行うようになったという。現在の山澤工房の始まりとも言える。昭和57年には、正式に修理部門が立ち上がった。

「若い頃、世界を旅したことがあったんです。バックパッカーのようなことですが、その時に父から『カバンの修理現場を見てきて欲しい。』と頼まれていました。市場調査ですかね??いろんなところを見て回りましたが、その時は自分がこの仕事を継ぐことになるとは思っていませんでした。」

一つのものを大事に使う文化を大切にしたい。
お父様が築き上げて来られた会社を継ぐことになり、4人兄弟のうち3人がこの会社に関わっているという。IT業界で働いていた弟さんのIT技術で、商品の受付から納品までをパソコン管理する自社システムも構築されている。
今では「かばんの総合病院」として、スーツケースからハンドバッグまであらゆる修理を引き受ける山澤工房のホームページを開けると、たくさんの修理の事例写真や無料の修理仮見積もりができるページなど、全国各地からの修理依頼を意識した作りになっている。
とは言いながら、個人からの直接の依頼は売り上げ全体の2割ほどにしかならないが、ユーザーとの接点ができるという点でとても大切。たくさんの感謝の気持ちが詰まったお客様からのお礼の手紙を見せていただいた。「ここから様々な大切なことを教えていただけるんです。」

一口にカバンと言っても、素材も形も大きさも用途も違う。さらに同じ素材でも修理の部位は様々。キャスターの取り換え、取手の修理、ファスナーの付け替え、ボディの傷や凹み、破れ、変形・・・・・・・・・。ここが、新品を作り上げるのとは違って、修理の難しいところだ。

今の業務スーパーの跡地には5年前に移転して来た。部品倉庫なども新たに建てた工場内を案内していただいた。
修理に携わる修理職人には、それぞれ工房が割り当てられていて、そのデスクごとに「◯◯工房」と個人名の看板が上がっている。特にスーツケースなどは各人が仕上げまでを一貫して担当されるというから、こういう遊び心ある工夫はモチベーションが上がるだろうなと思った。

例えば、鏡面加工されたポリカーボネイト製のスーツケースなどの色補修の作業場は、まるで自動車の修理工場。修理の場合は、車用の塗料がずらっと並んでいて、場合によってはその色調整だけで数時間かかることもあるという。

広い工房内を案内していただいて一番びっくりしたのが、どこもスッキリと整理整頓されていること。個人の工房の机の上や周りの工具類はもちろん、共有の工具もきちんとあるべき場所に置かれている。
毎日、80〜100以上のカバンが持ち込まれ、それと同じぐらいのカバンが修理されて帰っていくという大量の数を捌くには、いろんな工夫が必要となり、いろいろな場面でシステマチックにしていく必要があるのだろう。

「カバンの修理を弊社のように組織だってしているところはありませんでした。この分野のパイオニアだという自負を持っています。ただ、新しい会社も出てきていますので、私たちはこれまで培ってきた技術やシステムを確立しつつ、日本人の細やかな技術やサービスで、今後は世界も見据えていきたいと思っています。」

<旅行先で壊れてしまったスーツケース、「もう直らない」とあきらめていたバッグはありませんか。大切な鞄だからこそ私たちプロにお任せください。>とホームページに書かれている。
「コストの問題もあって部品まではなかなか作れませんので、お断りする時もあります。でもできるだけご要望にお答えできるようにしたいと思っています。」
きっと、困ったお客様の最後の砦となっているのだろう。
そんな山澤さんの言葉を支えているのは、たくさんの部品が整然と並んでいる倉庫。とにかく部品の種類は想像以上の数

部品は引き取った廃棄するカバンから使える部品を取ったりもする。修理不能なカバンをそのまま廃棄すれば産業廃棄物。しかし、細かく分解・分類して素材ごとにまとめていけば大切な資源となる。山澤工房の場合は、ハンディキャップを持つ地域の方が分解作業を支えている。

<そのまま捨てればゴミ、分類すれば資源>

「今後は、技術やノウハウを伝えていける会社にしたいと思います。今は使い捨てではない時代だと思います。最近、弊社で修理し生まれ変わったスーツケースの販売も始めています。ホームページでも見ていただけますので、選択肢の一つにしてください。」と山澤社長。

<生まれ変わったスーツケースをホームページに上げるための撮影も自前で>

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