代表挨拶
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どの部品どの素材で直すか。かばん修理には深遠な世界がある
私たち山澤工房が用いているスーツケースや鞄の修理技術は、完全なオリジナル。誰かに学んだものではなく、42年の山澤工房の歴史の中で培ってきた技術です。
かばんの修理にはさまざまな形態の部品や革素材が必要となりますが、目の前のかばんの修理にどのストックを用いるかは、スタッフそれぞれが判断します。
どの部品を使えば、どの素材を使えば、お客様の笑顔が見られるか。それを考えて修理を行うことが、私たちの仕事の中で一番難しく、そして一番やりがいのある作業です。
「もう直らない」とあきらめたかばんに、再び命を吹き込む仕事
スーツケースをはじめとする頑丈なかばんは、一見壊れにくそうに見えますが、柔軟性を持たせた素材を用いているために意外と変形してしまうものです。
ボディに大きなへこみや擦り傷ができてしまったり、カギが破損し開閉不可能になってしまったりするかばんも、当社に持ち込まれます。思い出がたくさん詰まったかばんにも関わらず、「もう直らないかも」とあきらめてしまっている方も多いです。
しかし、山澤工房の熟練の技術と、メーカーとの協力により実現した膨大な部品ストックを活用すれば、再びおでかけのパートナーとして活躍できるよう命を吹き込むことができるのです。
再生社会への一歩
ケニアの前環境副大臣であり、生物学博士でもあるワンガリ・マータイさんが来日した際に感銘を受けた言葉として「もったいない」を取り上げ、世界規模の話題となりました。
しかし、環境破壊抑止への取り組みは、一朝一夕で効果が現れるものではありません。強い持続力が必要です。
大量消費文明の限界が叫ばれるようになった昨今、使い捨てしていたものを再利用し、循環させる大規模なメカニズムの構築が急務となっています。
山澤工房は、ささやかながらその取り組みへの第一歩として、スーツケースや鞄の修理だけにとどまらず、破損したスーツケースの買取やリサイクルなどもおこなっております。